ポポのアンニョン日記

好きな韓流スターのお話や韓流ドラマのことなど。推しはパク・ソジュン氏なので多めです。

『ヘチ 王座への道』

『トンイ』を観て『イ・サン』を観たら、やっぱり『ヘチ』も観たくなりました。

❝笑顔の貴公子❞チョン・イルさんが、カリスマ溢れるイ・グム(ヨニングン、のちの英祖)を演じていました。除隊後初の復帰作です。

 

2019年の作品。

全24話。

 

母の身分が低かったために存在を軽視され、王の資質を持ちながらも政治の世界を避けて生きてきたイ・グム。彼が王座に就くまでの苦悩と困難が描かれています。

父の粛宗亡きあと、兄イ・ユンが王位を継ぎますが、彼は世継ぎができない体質であり、老論派のミン・ジノンはイ・タン(ミルプングン)を次の王候補へ推し、イ・グムを認めません。悪行を繰り返し素行の悪いイ・タンが王になることを危惧したイ・グムは正義のために王座争いに関わっていきます。イ・グムは不正のない政治を目指し、民が困ることがないように仲間とともに尽力します。

 

 


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ヘチ 王座への道|ドラマ公式サイト

『ヘチ 王座への道』公式サイトより

 

正統派時代劇なので、ゆるく観たい方には暗い話かもしれませんが、私は好きでした。

なにしろトンイの息子の話と思うだけで、わくわくが止まりません。

イ・グムを支えたパク・ムンス、ヨジ、タルムンたちの友情に胸が熱くなりました。


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イ・グムとヨジの恋の行方は途中から…あれ?ヨジが出てこない…と思ったらヨジ役のコ・アラさんが撮影中に足を怪我されていたんですね。ヨジは最初は、司憲府の有能な捜査官として巧みな武術を披露していました。ところが、めっきり出演が減り、出てきたと思ったら上半身のみ動かない。歩く姿は後ろ姿。。。なるほど…怪我でしたか💦


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イ・グムとヨジのロマンスが減った分、イ・タンとユニョンとタルムンの三角関係が、私的にはおもしろかったです。過去に縁があったタルムンとユニョン。ユニョンに裏切られ続けながらもタルムンは漢気でユニョンを守ろうとします。パク・フン演じるタルムンの一途さが切ないです。なんであんな素行の悪いイ・タンを選ぶのよ?と思うけれど…。そこは、王妃になりたい、高貴な位につきたい、豊かな暮らしがしたい、と貧しい身分に生まれてひどい目に遭ってきたから、叶わぬ夢を見たのでしょうね。

全体的に暗い話で淡々と進みますが、ミルプングンの迫真せまる奇行ぶりと、イ・グムを支えるパク・ムンスの熱血漢ぶりが話を引き立ててくれます。パク・ムンスの司憲府の科挙の試験を何回も落第している姿も憎めません。パク・ムンスが「暗行御史」として活躍する姿もちらりと出てきます。


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政治の派閥争い、昔も今もそんなに変わらないのではないでしょうか。自分たちの都合のいいように隠ぺいされ歪められていく。。。誰もが、最初は高い理想を掲げて世の中を変えようと意気込んでいく政治の世界。しかし、理想と現実の違いに落胆し、権力をつかむことが勝つことであると錯覚していく。。。最終回のミン・ジノンのヨニングンに話す言葉が胸にしみます。


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「ヘチ…。善と悪を裁く伝説の生き物です。ヘチが伝説にしか存在しない訳をご存知ですか?現実では善悪を裁くのが、不可能ゆえです。そうなのです。現実にて善悪を裁くのは…不可能なのです。どれだけ夢見ようとも…。だから私はとうにその夢を捨てました。この世に存在するのは勝者と敗者だけ。そう思っていました。権力を手放せば負けとなり死あるのみだと。私は疲れ果て失望したのです。実は人生も政治も、不可能な夢を見ながらゆっくりと前へ進むものだったのに。いつか王様も気づくでしょう。力尽き失望する日が来るかもしれません。後ろに下がる日もあるかと。しかし私は、その日が来るのがずっと先であるよう…心から願っています。王様ならきっとできるはずです。同じ夢を見る友をお持ちだから。」

 

私は先に『イ・サン』を観ているので、英祖が自分の息子を米櫃に閉じ込めて餓死させたというストーリーに触れており、ミン・ジノンのこの言葉はぐっと刺さりました。英祖と世子を仲違いさせようと企んだ者たちの罠にハマり、英祖は誤った選択をしてしまうのです。民の為に尽力した名君もまた、善と悪を見極め切れなかったこともあるのでした。ヘチでは、ここまでのストーリーは出てこず、イ・グムが王座へついたところで終わります。『ヘチ 王座への道』を観て、韓国史劇に興味が沸いた方は、ぜひ『イ・サン』や『トンイ』も観て欲しいと思います。かなり長編なので根気がいりますが😅